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院長夫人、最後の大役は「終活」

終活マダム 池尻まさよです。
ある医療系の雑誌にある院長夫人の連載コラムが掲載…
毎回、自分の鏡を見ているような気持になってまいります。開業医の妻なら、多かれ少なかれ、皆様、そういうお気持ちかも知れません。ご紹介させていただきました。

先日、「終活セミナー」に参加してきた。借金はほぼ返したし、子どもは自立した。スタッフたちも、それぞれよくやってくれている。近隣に新規開業の医院が出てきて、患者数は緩やかに減ってきたが、開業当初のようにがむしゃらに頑張るパワーはない。むしろ、これぐらいのペースがちょうどいいと思うことさえある。まだ先だとは思うが、医院の承継や閉院を意識しないといけない時期に入ったといえるだろう。
実は私には、果たしたいと密かに願っている大役がある。それは夫である院長の葬儀の喪主を務めることだ。縁起でもない話かもしれないが、私が後に残り、地域医療を支えてきた夫をこの地でしっかり見送りたい。医院を継いでもらうにせよ、閉院するにせよ、膨大な量の書類・手続きが必要だろう。スタッフが路頭に迷わないようにもしないといけない。それらを片づけることを、開業医の妻としての私の役割にさせてほしいと思うのだ。
ただ、私が先に逝ってしまう可能性もないわけではない。もし夫が後に残ったら……。考えただけでも恐ろしい。月々の関係各所への支払い、給料の振り込みなどは誰がやるのだろう。
もし夫と共倒れになったら…
私は慌てて「終活ノート」なるものを購入した。ノートには通帳の記号・番号や生命保険などの会社名・証券番号を記入するページがある。記入を進めると、個人のものと医院のものを合わせて、膨大な量になってしまった。通帳などの情報以外に、ブログサイトのパスワードもクレジットカードの暗証番号もある。はて、これらの情報はどのような形で、誰に託したらよいのだろうか。
夫にできることといえば、銀行のATMで現金を引き出すことぐらいで、振り込みや振り替えはできない。たまにATMで操作にもたつく人がいて、列が長くなっていることがあるが、夫は間違いなくそのタイプだ。
せめて振り込み方法ぐらいは覚えてほしい。もっといえば、コピー機を使ったり、タイムカードを締めるぐらいはできるようになってほしい。ああ、頭が痛い。もし夫と私が共倒れになったら、全ての処理が子どもに託されることになる。相続など様々な問題が子どもに降りかかるため、ごたごたしないようにしておかなければ……。
そんなふうに、自分の人生と医院の行く末に思いを巡らせた。終活は、これからどのように生きるかを考えることでもあるのかもしれない。
人生は「神のみぞ知る」。それでも願いがかなうなら、開業医の妻としての最後の役割を全うさせてほしい。そして、もう一つ。「万が一のことがあった場合は、この『七転び八起き』のコラムに追悼文をお願いします」と、当連載を長く担当してくださった編集部の方にお願いした。いやはや、終活も簡単には片づかなさそうだ。
2019/3/1

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